「キャンプ」を楽しむ家

   

   

映像制作をしている夫と、接客業・技術職であるネイリストの妻の家です。そのご夫婦と、快適な暮らし方を発見するために対話を重ねました。

敷地は、戸建住宅と賃貸アパートが混在する近郊外の町にあります。その「町のヴォイド」と「暮らしの場」が繋がる構成とすることで、開放感と安心感のある生活空間としました。また、お二人の趣味である「キャンプ」と、生活を前向きに更新する「DIY」に寄り添う空間とすることによって、ご夫婦に馴染む家を目指しました。

「キャンプ」は、心と身体に「自然」を取り戻す行為です。「自然」は人間が創造していない存在であり、都市生活者にとって、忘れてしまいそうになる存在です。「自然」は時に優しく、厳しい。それを心と身体で体験することで、感謝や感動、生きる意欲を感じます。そのような「キャンプ」を日常に取り込みつつ、この敷地ならではの風景を感じられる空間が、このご夫婦の暮らしを豊かにすると考えました。

   

▲キャンプ道具を身近に。日常にもキャンプの楽しさを繋ぎます。階段吹抜により北側キッチンも明るいです。

▲左手の合板の壁にDIYで魅せる収納を作ります。仲間が集まる時は、リビングの小上がりがベンチ。

▲浴室に面するバルコニー。入浴時に、窓を開けて空を眺め、風と月夜を感じます。 時には浴槽で雨音を楽しめます。


photo by Tabuse