
在来軸組工法という名称は、日本の伝統的な木造から現代住宅につながる軸組み工法を、2×4工法やプレファブ工法と区別する呼び方です。日本で最も広く普及している建築工法が在来軸組工法で、柱、梁、筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる材)など、木の「軸」を組み立てて建物を支える工法です。日本の気候風土に適しており、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて安くつくれるというのが利点です。
具体的には、鉄筋コンクリート造の基礎の上に、木材の土台を渡し、その上に柱、梁・けた等を組み立て、金物などの補強材で強度を高めていく工法です。原則的には柱と梁などの横架材で鉛直方向を負担し、水平力には筋交いを設けて抵抗しますが、最近では構造用合板などを面的に設置して、更に強度を高める工法も多く採用されています。筋かいという斜め材や軸組に構造用合板などを釘打ちした耐力壁と、構造を補強する金物により地震に耐えるようになっています。必要な量の耐力壁と金物をバランス良く配置することが大切です。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べると耐久性は短く、また、湿気に弱いため、防湿、防腐、防蟻処理が必要ですが、寺社仏閣に見られるように、適切に施工・管理のされた木造建築は長く使い続けることができます。
設計の自由度は高く、複雑な敷地にあわせた形状や、独創的なプランに対応することが可能です。窓などの開口部の位置や大きさも、比較的自由に設計することができます。また、2×4工法などと比べて、自由にリフォームしやすい工法といえます。
工事の工期は、規模や条件にもよりますが、一般的な2階建ての30坪程度の住宅で約5ヶ月程度となり、2×4工法やプレハブ工法と比較すると長くなりますが、プレカットや構造金物などの技術の向上により、現場施工の工期が短縮され、施工性も高くなってきています。 建設費だけでなく解体費も比較的安価で、全体的にみて他の工法と比べてコストを抑えることができます。