工事の見積りをとる

   

実施設計の後半には、設計事務所が複数の施工会社(工務店)に見積りを依頼します。見積りを依頼する施工会社は通常2~3社ほどで、設計事務所と相談の上で決めます。

「親戚の工務店に工事を頼みたい」などの希望がある場合、自社で設計監理を行う施工会社ですと、設計事務所の監理を受け慣れていないことがあります。また、設計事務所の施工を行う意思や技術力を持った施工会社は限られていますので、知り合いに依頼する場合には、設計事務所の監理を受けることができるかをあらかじめご確認ください。

一般的に、見積り調整期間は1ヶ月程度が目安ですが、予算をオーバーしている場合は、さらに予算調整に時間を要することもあります。

施工会社に依頼した見積書が出来上がると、まず設計事務所が図面で指示した内容が正しく見積もられているかどうか、間違いがないかなどをチェックします。数社に見積もりを取る場合、それぞれの施工会社で見積額には違いがあると思いますが、価格の安さだけで判断するのは避けましょう。会社の財務内容や施工力などを総合的に判断することが大切です。

見積り額が予算をオーバーした場合は、設計事務所と建て主が相談しながら仕様を見直していきます。例えば、塗り壁をクロスにする、床暖房の面積を減らすなどの検討をしていきます。また、同時に施工会社にも、同じような仕上げ材でもっと安価なものがないかや、工事を効率化して運搬費や工賃を圧縮できないか等を相談します。

これらの検討の後、施工会社に再見積りを依頼し、納得できる見積り額が出そろったら、施工会社の最終選考を行います。