住宅ローン申請に必要な書類やスケジュールは、利用する金融機関や種類によって異なります。申し込み手続きの時期や申し込みから融資実行までの手続きの流れ、審査に必要な書類についてなど、事前に把握して、工事を行う施工会社への支払いがスムーズにできるようにしておきましょう。
住宅ローンは
①仮審査申し込み → 仮審査
②本審査申し込み → 本審査
③ローン契約(金銭消費貸借契約)→ 融資実行(住宅ローンスタート)
の3つの流れがあります。仮審査申し込みから融資の実行までに、一ヶ月程度の時間がかかります。また、審査に時間を要すると、それ以上かかってしまう場合もあります。
住宅ローンは、原則として、建物が完成して保存登記がされてからはじめて融資が実行されます。土地を新たに取得してから家を建てる場合で、土地の購入費や建物の工事費に住宅ローンを利用する場合にも、原則として建物分の融資実行は建物完成時の1回です。そのため工事完了後の残代金以外の、土地代金、工事着手金、中間金などは原則として自己資金で支払う必要があります。
それぞれの支払い金額は施工会社により異なりますが、工事着手時に工事代金の1/3、中間(上棟)時に1/3、完成引渡時に1/3程度の範囲で支払い条件が設定されていることがほとんどです。仮に工事代金が3000万円とすると、着手金と中間金がそれぞれ1000万円ずつ、合わせて2000万円必要になります。これだけの金額を自己資金で支払える人はさほど多くはありません。
そこで、一部の金融機関では、建物の完成前に融資額の一部を実行する「つなぎ融資」を行っています。借りたお金はあくまで「つなぎ」なので、住宅が完成して住宅ローンが実行されたら、そのお金でつなぎ融資を返済する仕組みになっています。また、条件を満たせば、土地の購入代金から利用できる場合もあります。
なお、多くの金融機関では、原則として工事請負契約に含まれるものを住宅ローンの対象としています。そのため、工事請負契約に含まれる消費税を除き、その他の諸費用については原則として自己資金で用意する必要があります。
事前の資金計画をきちんと立てておくのはもちろんですが、支払いスケジュールについても同様に、十分に把握しておく必要があります。
住宅ローンの融資実行日は各金融機関によって異なりますので、完成引渡時の残金支払い分のみに住宅ローンを利用する場合、施工会社への支払いのタイミングと金額を前もって確認し、融資実行日を引渡日にしてもらうなど、事前に調整を行うことで資金が途中でショートしないように計画しましょう。