日本は多湿であり、梅雨や台風などの自然災害も多く、建物を雨から守ることはとても重要になります。日本の住宅は木造が多く、天井内や壁の内部が雨に濡れてカビが発生すると、これを除去することはとても大変な作業となりますので、屋根材の選定や防水に対する施工精度は大変重要です。
屋根材は、スレート、金属、瓦といった、防水性、耐久性の高い材料が使われていて、材質によって適切な屋根勾配が決まっています。
スレート
天然の石を板状に加工した「天然スレート」と、セメントと繊維質材料を混ぜて加工した「人工スレート」があり、一般的には人工スレートが使われています。瓦よりも軽量で、耐震性に優れ、安価なのが特徴です。
表面には塗装されていますが、徐々に塗膜が劣化し防水性が低下すると、コケやカビが発生しやすくなったり、割れやすくなったりします。金属の屋根材に比べて耐久性が低く、ひび割れや反りといった劣化が起こりやすいため、定期的に塗り替える必要があります。また凍害に弱いため、寒冷地の使用はおススメできません。
金属
ガルバリウム鋼板や、銅板などの金属板を加工して使用します。加工がしやすいため、複雑な形にも使用でき、軽量のため耐震性にも優れています。
その反面、断熱性が低いので断熱対策が必要です。また、薄いため衝撃に弱く、飛来物が当たると凹むことがあります。最近では錆びにくい加工がされたものもありますが、全く錆びないということではありませんので、塗り替えが必要となります。
瓦
瓦は、日本の伝統的な屋根材で、整形した粘土を焼いて造られたものです。耐久性が高く、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。 瓦には和瓦と洋瓦とがあり、釉薬が施されたものや無釉のものなど、形状や種類も様々です。ただし、素材自体が重いため、耐震性に注意して構造の検討をする必要があります。