鉄骨造は、骨組みに鋼製の柱や梁を用います。鋼(はがね)とは、炭素を数%含む鉄の合金のことで、強靭で加工性にも優れています。高層ビルやマンション、工場など比較的大きな建物に用いられることが多いイメージですが、一戸建てにも数多く採用されている工法です。
鉄骨造には、「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。鋼材の厚さが6mmを超えるものを使用した建物を重量鉄骨造といい、主に高層ビルやマンションなどで採用されています。また、厚さが6mm以下のものを使用した建物を軽量鉄骨造と呼び、主にハウスメーカーのプレファブ住宅などで採用されています。
重量鉄骨造は、現場でクレーンなどの大型の重機を使用するため、変形地や狭小地、前面道路が狭い場合などは搬入や組み立てが難しく、施工できない場合もあります。デザイン的には、柱型が室内に見えてくるため、空間をシンプルにするためには工夫が必要ですが、柱と柱の間隔を木造よりも広げることができるため、大空間を設計することが可能で、間仕切りなどの設計の自由度は高いといえます。一方で、揺れやすく、音が響きやすいといった弱点もあります。
軽量鉄骨造は、柱型がないためすっきりとした空間が可能で重量鉄骨造よりも安価ですが、ブレースという斜めの補強材が一定量必要なため、開口の位置や間取りに制約がでてきます。
鋼材は木材に比べて強度が高いわりに軽量なため、耐震性も高いといえます。ただし、部材の接合部をつなぐ高力ボルトの締めつけ不足や溶接不良などがあると強度が落ちる危険性がありますので、施工時のチェックが大切です。
鉄骨造には、耐久性に優れますが、耐火性が低く錆びやすい素材のため、断熱材で覆うなど耐火処理をしっかりと施すことや防水、防錆処理、結露対策が必要です。
リフォームについては、柱や梁を動かさなければ、比較的行いやすいやすい工法といえます。
工事の工期は、規模や条件にもよりますが、一般的な2階建ての30坪程度の住宅で約6ヶ月程度です。 鉄鋼の国際価格に影響を受けやすい工法ですが、一般的な木造よりは高価で、鉄筋コンクリート造に比べると安価です。