日本は地震大国と呼ばれ、ここ数年の間でも人々の記憶に残るような大きな地震が起こっています。大地震にも耐えうる建築をつくることを目的とし、宮城県沖地震や阪神大震災後など、大地震が起こるたびに、建築基準法は少しずつ改定されてきました。
丈夫な家を造るには、地盤に見合った適切な基礎を造り、その上に構造的に安定した工法で建てる必要があります。そして、建物にかかる自重や家具・積雪などの重み(鉛直荷重)や、地震や風などの横から加わる力(水平力)が、建物上部から地盤へとスムーズに伝わっていく構造にすることが重要です。
そのためには、上下階の主な柱や梁を、ずれ無く規則正しく配置する必要があります。例えば、シンプルな箱型総二階で、上下階の主な柱や梁位置が同じで、適切なバランスで耐力壁を設けた住宅は構造的に安定したよい間取りと言えますが、平面的にも立面的にも凹凸が激しく、著しく上下階のバランスが崩れるような間取りは、構造的に不安定であると言えます。
また、どのような間取りでも、柱や梁を増やして構造的なズレを補うように計画することも可能ですが、それでは丈夫な構造とは言えず、無駄な費用がかかるだけです。