ワンルームの賃貸住宅や密集住宅が点在している地域にある賃貸住宅です。
この賃貸住宅の大家であるクライアントさんは、植物を育てることが日常生活になじんでいらっしゃっていて、そのことから得られる喜びを教えてくださいました。そこで、そのような喜びを住人同士や周辺地域の方と共有できるような賃貸住宅を目指しました。
敷地南側の道路と家の間に硬い塀はなく、程よく育った彩り豊かな植物が、道路を行き交う人々と住人との程よい距離感を生み出しています。既存樹木の周りに広がる畑（庭）からデッキテラス、サンルーム、リビングへと連続していて、赤い片流れのボリュームをダイニングキッチンとして配置しています。畑の横に建つ小屋のようなイメージでしつらえました。収穫した野菜やハーブを、すぐに楽しむことのできる生活空間です。
この家の前を日常的に行き来する子供たちが、この庭の前で足を止め、まちに開かれた生活の楽しさを感じてくれることを期待しています。
▲自然光が注ぐ明るいリビング→斜め天井の吹き抜けを介して自然光が降り注ぐ明るいリビング
▲サンルームとデッキテラスに面するダイニングキッチン
photo by Kurohashi